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2010年 2月 8日

フリーミアムの先はフロシーミアムなのか?

モチベーションから考える着弾点予想

 フリーミアムとはご存知のとおり、フリー(free)+プレミアム(premium)が合わさった合成語で、寄付や広告に裏打ちされた無料のサービスが、利用者数や景気の動向等に左右されやすいのを鑑み、一部有料サービスを追加し、有料会員を募ることで収入の安定化を図る昨今のビジネスモデルです。

 フリーのサービスの内、広告収入モデルで最も成功しているのは、おそらく検索サイトでしょう。利用者はとにかく何かを探しているのですから。何かを欲しがっている人が目的の品物の広告を見ればクリックする可能性が高い、というか何かしらの物品なりサービスを目的として検索すれば、検索結果もほぼ広告のようになるのも皆さんもご存知のとおりです。

 ではフリーミアムモデルにおいてはというと、おそらくオンラインゲームと思われます。プレーヤーは原則的にゲームの目的に向かって行動するものですから、それを助けるアイテムでもあればつい購入したくなるかもしれません。その他に、有料サイトとして成り立っていそうなものとして思いつくのは、占いサイト、各種情報サイト、ファンクラブサイトとかですか。

 さて、手前どものようなCGM(消費者生成メディア。本当はユーザー生成メディアと言いたい)において、フリーミアムの現状はどうでしょうか。個別のサイトなりブランドなりの熱狂的なファンにはプレミアムなサービスの如何にかかわらずそれなりの価値がありそうですが、一般の利用者にも納得してもらえるサービスの格差というのは設定しづらいものだと思います。たとえば無料会員と有料会員の間で容量や投稿数の制限をつけてしまったりすると、たちまち無料でも制限の少ないライバルに敗北してしまうことになるでしょう。
 そもそもユーザーはCGMに何を求めていのかと考えるに、機能的側面と内容的側面があると思われます。
 まず機能的側面としては、データの保存や表示の簡易さ等の基本機能からはじまって、SNSのような、実社会にも影響をあたえ得るコミュニケーションツールとしの実用的機能。
 内容的側面としては、当然、コンテンツそのものであって、単純に内容が面白いであるとか、即時性や鮮度が重要であったり、入手困難な情報、またはそれらの的確な解説がなされていたりとか。

 CGMの場合、独占が許されでもしていない限り、便利さを提供する機能を制限するのは自らを縛りつけるようなものです。とは言え、内容を面白くするのは詰まるところユーザーであって、いろいろと工夫の余地があるにしても最終的にはシステム提供側ではありません。おそらくはその環の閉じられなさ加減がCGMでのフリーミアムが持つ弱点なんだろうと思います。

 さて、我々はどうすれば良いでしょうか。完全に輪が閉じられる方法は未だに見つけられないのだけれど、今まで見過ごされてきた要素を付け加えると、多少はギャップが縮まるのではないかと思っています。すなわちそれはコンテンツ提供者の収入です。(あー回りくどい。申し訳ない)
 有名なCGMサイトでは必ず「才能の無駄遣い」をしているユーザーがいて、私自身も彼らに随分楽しませてもらい、実際私も彼らを愛しています。彼らとしては、おそらく無報酬であることがプライドともなっているのだろうし、報酬を求めた途端に「金儲けのために創作する奴ら」と思われたくないと考えているかもしれません。そういった彼らの意向も尊重したいのだけれど、実際のところ現実的な助けを必要としている人もいるかもしれないと考えたのです。

 そういう訳で、(あんまりセンスが無いのでこれでいいかわかりませんが)フリーミアムにユーザーの「収入」(proceedとか、incomeとか、incentiveとか、earningあたりか?)を加えて、例えば、フロシーミアム(froceemium)つまり、フリー(free)+プロシード(proceed)+プレミアム(premium)というのを提案してみようと思います。(あぁ~あ、無理あるよな。まったく)

 実際のところ、フリー→フリーミアム→フロシーミアムに進むにしたがって、事業化へのハードルが高くなってゆきます。特にユーザーへの払戻しを想定すると、途端に事務方の苦労と負担がかさむようになるので、なかなか大変そうです。

 それでも本システムがユーザーへ利益を斡旋する手段としているパーミッション制御は、単純にコンテンツ提供者から読者へ購読料が流れるだけではなく、例えば、上杉隆×小林弘人「ここまでしゃべっていいですか」(5):メディアはどのように変化するのか? 米国の最新事例 (2/3)で紹介されているSpot.usのように、取材費を募り、それをもとに取材して記事を一般公開するだけでなく、それを有料で公開し、その利益を出資者に還元する設定ができます。

 ちなみに『Business Media 誠』のこのシリーズ。全編を通して大変参考になりました。というか確信しました。というか焦りだしました。
上杉隆×小林弘人「ここまでしゃべっていいですか」は全10回のシリーズです。

 さて、このパーミッション制御の応用は、突き詰めるとかなりの地平が広がっていると確信をもっています。生命の進化は海から川、そして陸へと、弱いものが、できるだけ遠くまで逃げたものが進化してきたことでしょう。この応用は、陸に上がったなんて言えるほどのものではありませんが、淡水域へ踏み込んだぐらいの値打ちがあるんじゃないかと思ってたりなんかしちゃったりして。(はしゃぎすぎ。自重しろ。→自分)

 あー。マニュアルをちゃんとしなきゃ、誰にも信じてもらえないよなぁ。
 とりあえず開発の経緯等はPubuxについてをお読みください。
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